1970年以前の金価格と世界経済/イギリス・アメリカの金本位制...

イギリスの金本位制@

前述したアメリカの前例として
イギリスがあるわけですが、

 

覇権国として世界各地に
植民地を持っていたイギリスは、

 

貿易代金として得た金(ゴールド)が大量に集まり、
金融が安定していました。

イギリスの金本位制A

それを背景として、
1816年に金本位制の採用を決め、
貨幣法を制定し、
1ポンド相当の新金貨を鋳造したのです。

 

イギリスの中央銀行である
イングランド銀行は、

 

1821年に
金(ゴールド)の裏付けのある兌換紙幣を発行し、
中央銀行としての地位をより明確にしていきます。

 

大英帝国という世界の覇権国と
金(ゴールド)という
2つの信用に裏付けられたポンドは、

 

19世紀には基軸通貨として、
世界の国々の決済に利用されていました。

 

しかしながら、20世紀に入ると
イギリスは政治的にも経済的にも大国の地位を保てなくなり、
金本位制をやめてしまいます。

 

このイギリスに代わり、国際舞台の主役として
存在感を強めていったのがアメリカでした。

 

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アメリカの金本位制

ドルは、1934年に
国内法である金準備法を成立させ、
金1トロイオンス=35ドル
という交換レートを定めたのです。

 

しかしながら、
これには制限があり、

 

財務省が交換の約束を守るのは、
外国の中央銀行など公的機関のみで、

 

個人が金(ゴールド)と
交換できるわけではありませんでした。

 

第2次世界大戦中は、
金(ゴールド)も含めた金属類は、
戦略物質として指定され、
企業も個人も海外向け金取引が禁止されていました。

 

その一方で、
アメリカ政府が外国に兵器を売る際には、
金(ゴールド)による決済を求めたので、
アメリカ国内の金備蓄はどんどん増えていきました。

 

なお、戦時中は、
金本位制は一時的に停止されていましたが、
戦後になり再開されています。

 

その後、金(ゴールド)という
信用の裏付けを持つドルが
世界の通貨の中心となり、

 

主要国は自国通貨をドルに対して
一定の値段で固定する
固定相場制を採用することとなったのです。

 

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