イギリスの金本位制@
前述したアメリカの前例として
イギリスがあるわけですが、
覇権国として世界各地に
植民地を持っていたイギリスは、
貿易代金として得た金(ゴールド)が大量に集まり、
金融が安定していました。
イギリスの金本位制A
それを背景として、
1816年に金本位制の採用を決め、
貨幣法を制定し、
1ポンド相当の新金貨を鋳造したのです。
イギリスの中央銀行である
イングランド銀行は、
1821年に
金(ゴールド)の裏付けのある兌換紙幣を発行し、
中央銀行としての地位をより明確にしていきます。
大英帝国という世界の覇権国と
金(ゴールド)という
2つの信用に裏付けられたポンドは、
19世紀には基軸通貨として、
世界の国々の決済に利用されていました。
しかしながら、20世紀に入ると
イギリスは政治的にも経済的にも大国の地位を保てなくなり、
金本位制をやめてしまいます。
このイギリスに代わり、国際舞台の主役として
存在感を強めていったのがアメリカでした。
アメリカの金本位制
ドルは、1934年に
国内法である金準備法を成立させ、
金1トロイオンス=35ドル
という交換レートを定めたのです。
しかしながら、
これには制限があり、
財務省が交換の約束を守るのは、
外国の中央銀行など公的機関のみで、
個人が金(ゴールド)と
交換できるわけではありませんでした。
第2次世界大戦中は、
金(ゴールド)も含めた金属類は、
戦略物質として指定され、
企業も個人も海外向け金取引が禁止されていました。
その一方で、
アメリカ政府が外国に兵器を売る際には、
金(ゴールド)による決済を求めたので、
アメリカ国内の金備蓄はどんどん増えていきました。
なお、戦時中は、
金本位制は一時的に停止されていましたが、
戦後になり再開されています。
その後、金(ゴールド)という
信用の裏付けを持つドルが
世界の通貨の中心となり、
主要国は自国通貨をドルに対して
一定の値段で固定する
固定相場制を採用することとなったのです。