大幅な円の切り上げへ@
1971年12月、
アメリカのスミソニアン博物館で開催された
G10(主要10か国)蔵相・中央銀行総裁会議では、
金価格を
1トロイオンス=38ドルとすることが決められました。
大幅な円の切り上げへ@
また、ドルに対して
各国通貨を切り上げることも議論されました。
そして、
この切り上げ幅を決定するときに
最も難航したのが日本円でした。
当時の日本は
景気後退局面にありましたから、
大幅な円の切り上げは
景気悪化に拍車をかけることになるからです。
そこで、日本側は
14〜15%が限度であると主張したのですが、
アメリカや欧州各国は、
17%を求めてきました。
その後ギリギリの交渉が続いた結果、
切り上げ幅は16.88%、
1ドル=308円の固定相場で
決着することとなったのです。
とはいえ、
これで為替相場が落ち着いたわけではありませんでした。
変動相場制への移行
1973年には、
欧州で通貨危機が再燃したことから、
ついに主要国は固定相場制をあきらめ
変動相場制へと移行することとなります。
ちなみに、
この変動相場制導入直後のドル/円相場は、
1ドル=260円まで円高が進みました。
なお、
それまではほぼ固定制だったことから
チャートを描くのは無意味だったのですが、
その翌年の1974年に、
初めて金価格チャートが描かれました。