1980年代の金価格と世界経済/アメリカの国内インフレと金価格の暴落...

レーガン大統領が強いアメリカを志向@

1981年1月に登場したロナルド・レーガン大統領は、
強いアメリカを目指し、

 

1期目の政権で「レーガノミックス」
と呼ばれる大幅減税と積極的な財政政策を打ち出し、
これがアメリカに好景気をもたらしました。

レーガン大統領が強いアメリカを志向A

レーガン大統領は、
ドルについても強いドル、
すなわちドル高を志向しました。

 

しかしながら、
ドル高になったことで
製品価格が上昇して輸出が減少し、

 

反対に
ドル高により安くなった海外製品が
あふれるようになってしまいます。

 

また、
軍事的にも強いアメリカを示すために
強硬な姿勢をとるようになり、
世界各地の紛争に関わるようになっていきました。

 

さらに、
軍事兵器の開発にも力を入れるようになり、
「スターウォーズ計画」を推進しました。

 

ちなみに、
この「スターウォーズ計画」というのは、
ミサイル衛星やレーザー衛星などを
宇宙空間に配備し、

 

地上の迎撃システムと連携させて
敵国のミサイルを迎撃するというものです。

 

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アメリカの国内インフレ

アメリカ国内においては、
インフレが進行していました。

 

当時のFRB(連邦準備理事会)の
ポール・ボルガー議長は、
「インフレ・ファイター」
の異名を持つほど、
インフレ退治に力を入れました。

 

具体的には、
当時は政策金利であった公定歩合※を
一気に14%まで引き上げたのです。

 

そして、
この荒療治的な
金融引き締め策が功を奏した結果、
インフレは沈静化し、

 

さらに、
高金利政策をとったことによって
投資資金がドルに集まるようになり、
ドル高が続くようになったのです。

金価格の暴落

とはいえ、これは、金市場にとっては
あまり歓迎されることではありません。

 

というのは、
インフレ率が高いときには、
公定歩合を14%まで引き上げることによって
名目金利が高くなったとしても、

 

物価も上昇していますので、
インフレ率との差し引きで実質金利は低くなります。

 

そうすると、
金利が付かない金(ゴールド)であっても、
インフレによる通貨の価値の下落に備えて
買われることになります。

 

しかしながら、
金融引き締めによって
インフレが沈静化してきますと、

 

実質金利も高くなり、
金(ゴールド)を保有する意味が薄れてしまいます。

 

当時の金市場というのは、
市場規模が小さかったこともあって、

 

上げ相場も下げ相場も
一方通行的な値動きとなり、
金価格は暴落してしまったのです。

 

※現在の政策金利は、
 FFレート=フェデラル・ファンド・レートです。

 

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