サブプライム問題後の金利引下げでどうなりましたか?@
サブプライム問題が表面化した2007年8月以降、現実にはFF金利は引き下げられ金利差は縮小しましたから、
投資家は魅力のなくなったドルを円に転換しようとしました。
サブプライム問題後の金利引下げでどうなりましたか?A
そのため、これまでの円売り・ドル買いの動きは反転し、需給が崩れて
為替レートは円高ドル安に動きました。
金利差は投資判断となりますか?
上述のようなことから、金利差というのは、投資判断の基準になるのではないかと思いがちなのです。
しかしながら、為替市場が金利の引上げや引下げを早くから予想して、
為替レートにそのことを織り込んでいる場合もありますので注意が必要です。
というのは、その場合には、金利変更の材料出尽くし感となって、為替レートが短期的に逆に動くことがあるからです。
つまり、為替相場というのは、その時々の材料や思惑も絡みますので、金利だけでは決まらないということです。
なぜ通貨が弱くなるのですか?
慢性的に経常収支が赤字の国の通貨というのは、
基本的に弱い動きをすると考えてよいと思われます。
多くの東南アジア諸国では、主要な加工産業が成長していませんので、
輸出の主力は鉱物資源や農産物などの1次産品と呼ばれるものがほとんどとなっています。
特に農産物は天候に左右されやすいですから、天候不順で不作が予想されると、
貿易収支の赤字や税収不足による財政収支の悪化が懸念され、為替は弱くなるのです。
ドルは国際収支に影響されないのはなぜですか?
アメリカの場合は、上記のケースとは事情が異なります。
というのは、アメリカは常に財政赤字と貿易赤字、すなわち「双子の赤字」に悩まされ続けているからです。
では、ドルがいつも弱い動きをしているのかといえば、実際にはそうではありません。
この理由について、経済学者の中には、
アメリカは貿易収支こそ赤字だけれど、資本収支は黒字を維持しているからだという人もいます。
また、別の専門家は、ドルは基軸通貨としての役割を果たしているから、弱い動きにはなりにくいということです。